ウイルスは、細胞を侵し、遺伝物質を変化させる性質をもっているため、いくつかのがんは、ウイルス感染に関係しています。
最近、20代の若い世代で子宮頸がんにかかる人が増えています。
その原因として推測されているのが、若い人の性交が増えていることです。
子宮頸がんは性体験と関係あるらしく、性体験のない人にはほとんど発生していません。
特に、性交によってヒト乳頭腫ウイルスに感染することが、子宮頸がんの原因として有力視されています。
これが証明されれば、ワクチンによる子宮頸がんの予防も可能になります。
B型肝炎・C型肝炎ウイルスは、世界中で多くの人の死因となっている肝がんの多くに関連しています。
日本人の場合、最初から肝臓にできるがん(原発肝がん)の大半を占める肝細胞がんは、そのほとんどが肝硬変または慢性肝炎のある肝臓に発生し、肝がんにかかる人の16%がB型肝炎ウイルスに、76%がC型肝炎ウイルスに感染(重複もあり)していたという報告もあります。
これらの人は、慢性肝炎→肝硬変→肝細胞がんへという経過をたどるわけです。
B型感炎・C型感炎ウイルスの感染経路 飯野四郎著「ウイルス感染・2」より
| |
B型肝炎 |
C型肝炎 |
輸血・血液製剤
による感染 |
以前はあり。
1990年以降、ほぼ消滅 |
以前はあり。
1992年以降、ほぼ消滅 |
汚染血液や
傷の血液など
からの感染 |
あり。注射器、鍼治療、入れ墨などの医療事故などで見られる。 |
あり。注射器、鍼治療、入れ墨などの医療事故などで見られる。 |
母子感染 |
あり。1986年から防止事業が始まり、現在ではほぼ消滅 |
約2%。
経過観察が必要 |
性行為感染 |
あり |
ごくまれ |
通常の日常生活 |
なし |
なし |
白血病にはいくつか種類がありますが、リンパ系の白血病である成人T細胞白血病(ATL)は、その発症にヒトT細胞白血病ウイルス・タイプT(HTLV-T)が強く関係していると考えられています。
成人T細胞白血病(ATL)は、1977年(昭和52)に日本で発見された、変わった形をもつリンパ系の白血病で、九州、四国南部、紀伊半島に多く患者が出ています。
ATLウイルスの感染力は弱く、感染には、
(1)輸血による感染
(2)性交による感染
(3)母乳による感染
の三つの経路しかありません。
2004.8.22記事 2007.7更新 |